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日本の中期目標とその後 [日本の国内政策措置]

先日,日本の地球温暖化対策の中期目標に関するパブコメの募集が行われました.同時に,説明会も日本各地で行われましたが,市民の意見としては,両方の極論しかほとんど出てこなかったようで,市民の意見を入れた日本の政策決定プロセスの課題を露呈していたようでした.

わたしも,重要なプロセスには,(裏口ではなく)できるだけ正式なプロセスから意見を言っていこうと思っていて,概論でしかないのですが,以下のようなコメントを提出いたしましたので,ご参考になさってください.わたしのまわりでは,ごいちくんのコメントがよく考えられていると思います.こちらもどうぞ.

 


地球温暖化対策の日本の中期目標に対するコメント

 

(有)クライメート・エキスパーツ /(株)PEARカーボンオフセット・イニシアティブ

松尾 直樹

 

 

目標の水準としては,選択肢の中で,1990年比マイナス15% (京都メカニズム込み).

 

野心的な数字を出して,それを達成するための日本としての考え方を示すべき.少なくとも,省エネなどに対しては,「パイオニア」であり続けるべきで,その意味では,GDPあたり対策コスト均等化=他の国がキャッチアップするまで待っている... と考えかたよりも,その上を目指すべきと考える.すくなくとも,そのメッセージを出すべき.

 

その一方で,以下の視点が重要と考える:

 

 

中期目標は,「コペンハーゲンにいたる国際交渉における日本の交渉のスターティングポイント」という側面だけでなく,

 

国内および海外に対し,日本の温暖化問題に対する考え方・ビジョンを,

メッセージとして伝える

 

という意味合いがある.すくなくとも,外部の人は,日本の中期目標から,日本は何を考えているのだろう?を,読み取ろうとする.

 

しかしながら,たとえばEUと比較して,温暖化問題を専門にしている私にとっても,日本が温暖化問題にどのようなビジョンを持ち,それを実現化するためにどう取り組もうとしているか,非常にわかりづらく,いわんや非専門家や海外の人にとっては,いままでほとんどメッセージが伝わってこなかった(伝えようともしてこなかったし,ビジョンに関する国内での議論もなかった).[日本はパフォーマンスは優れているが,ビジョンがない.リーダーシップとは,ビジョンの訴求性に由来する]

 

実際,2020年からそれ以降にかけて,「社会の仕組みとして,どのような低炭素社会の青写真を描くか?」ということを示した上で,その表現の一形態としての中期目標があるべきであろう.

 

ただ,実際はそのようなことにはなっていない.国際交渉の場においては,その時点の首相の「高度な政治的判断」で決まった「数字」としての数値目標だけでしかない.

 

わたしの強調したいのは,この中期目標が決定された後の,それからのメッセージと,その後のプロセスの重要性である.ぜひ,この機会を活かしていただきたい.

 

現実問題としては,2020年までに,低炭素社会に向けての大きな社会的変革が実現することは考えにくいであろうが,いまからちゃんと準備すれば,「その後」にはそれが可能となる.すなわち,まずはその準備のための議論を行うプロセスを立ち上げる必要がある.

 

少なくとも,中期目標設定時に,その「立ち上げ」をアナウンスすることならできるであろう.

 

どのような形で,議論をし,政策を作っていくか?という点に関して,ひとつの提案がある.それは,モニュメンタルな建築のケースとおなじように,

 

「日本の地球温暖化対策の『考え方・ビジョン・それを実現化する政策措置のデザイン』

に関して,コンペを行う」

 

というものである.

 

コンペの結果,提案された「作品」は,広くメディアを通じて,国民の間で議論されることとなる.政治家の役割は,それらの中から,最終的にもっとも日本の将来にとってベストなものを選択することである.

 

シンクタンク,その他の専門家,政治家,役所(およびその中の個人),NGO などにとって,自らの政策デザイン能力をオープンな競争環境で発揮するまたとない場であり(能力開発の機会にもなる),また,新しい民主的な政策決定の方法として,世界からも着目されるであろう.

 

ぜひ,中期目標決定にとどまらず,その次にどうつなげていくか?も,考えていただきたい.

 


 バトン.jpeg


みなさんも,ぜひいろいろ考えてみる機会としてください.

 

松尾 直樹

 


バイオガスマイクロダイジェスターCDM キックオフセレモニー [PEARのプロジェクト開発]

すいぶん時間が経ってしまいましたが,3/14,重慶において開発してきた「バイオガス・マイクロダイジェスターCDMプロジェクト」のキックオフ・セレモニーを行いました.

そのようすは,簡単なファイルにまとめておきましたので,ぜひ ご覧ください.また,「世界で一番CDMという言葉が普及している村」にも,写真をアップしておきました.本当にたくさんの農家のみなさんの期待を,ひしひしと感じることができた感動的なセレモニーでした.

このプロジェクトは,社会的貢献度の非常に高いすばらしいプロジェクトであるわけですが,PEARの精神を具現化したものです.このようなプロジェクトを実現化したいがために,PEARを立ち上げたと言っても過言ではありません.

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このプロジェクトは,プログラムCDMという形態で実施します.この方法は,従来型のCDMプロジェクトとは異なり,とりあえず小さいスケールで立ち上げてから,徐々に大きくしていくことを簡単に行うことができます.

とりあえず,このような社会的意義の高いCDMプロジェクトの価値を見いだしていただける投資家・企業を募って,大きくしていきたいと思っています.寄付ではありません.排出権(CDMクレジット=CER)を,投資としてのリターンとしてお返しします.そのCERを何に使うか?は,投資家の自由です.

良質のプロジェクトからのクレジットであることを証明する Gold Standardの認証を獲得する予定ですので,欧州排出権市場では,通常のCERより高く販売できますし,ご自分の排出量のオフセットに用いられるなら もっとすばらしいですね.

もし,ある程度まとまった資金を投資してもいい... とお考えの方や企業がおられたら,ぜひ,お声かけください.多くのCDMプロジェクトをお持ちの企業の方にとっても,ポートフォリオに入れておくことの意義は大きいと思います.

そのうちに,個人でもこのようなプロジェクトに投資できる仕組みをつくっていきたいと思っています.ご期待ください.

松尾 直樹


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