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コペンハーゲン会議から《会議が終わって》 [地球温暖化問題の国際交渉]

コペンハーゲン会議が終わりました.金曜までの会期ですが,終わったのは土曜の現地時間の 午後3時半です.

100カ国を超える国の首脳がやってきて(潘基文さんもこれだけの数の首脳が一堂に会するのを見たのは初めてと言っていました),オバマ大統領を含めたその中の25カ国の首相や大統領が,Friends of the President として,徹夜の交渉でまとめた「コペンハーゲン・アコード」も,小島嶼国のグレナダなどの涙ながらの訴えにもかかわらず,COP (CMP) の本会議でコンセンサスを得ることができず,そのままの形で採択されることはできませんでした.

ただ,このアコードは,COP に take note されることとなり,有志国が集まって,実質的に運用していくことはできそうです.Friends of the President の 主要25か国はもとより,かなりの国が賛成していましたので,かなり実質的なものとして機能していくことが期待されます(コペンハーゲンアコードは,すでに UNFCCCのトップページに,他の決議文書と一緒にアップされています.なお下の写真はENBからです).

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さて,この会議は,わずか半歩の前進に終わったわけですが,簡単に分析してみましょう.

世界の国々,とくに温暖化問題を早く対処すべきと思っている国々や人々にとって,コペンハーゲン会議にかける期待は非常に大きなものでした.大きすぎた=拙速すぎた... と言えるでしょうか.「科学からのシグナルや脅威感」と,「排出削減対策や目標が現実的に可能かどうか?」という点が常にせめぎ合うわけです.最近では 前者が先進国政府の中では支配的となっていました.

一方で,大排出途上国にとっても,自国の経済開発にとって 省エネの重要性をかなり認識するようになってきて,今回も会議に先立って,自主原単位目標を宣言してきた国が多数でてきました.ずっとこの世界を見てきた私にとって,これにはすごく大きな「うねり」を感じたものです.

ただ,それも程度問題で,やはりステップ・バイ・ステップでしか進むことができないわけです.すなわち,いきなり3歩進むことを先進国が要請したため(バリ行動計画のマンデートを超えて ひとつの統一的な国際協定合意を主張したわけです),拒否感が強く出てしまったと言うことでしょう(表面的にはデンマーク政府の 会議の合意への持って行き方の不透明性が問題化しましたが,その裏には,先進国との間の信頼感が醸成できなかったことがあると思います).

アナロジーとして,日本の産業界のこれまでの動きを振り返ってみるとわかりやすいでしょう.

京都会議の前に,炭素税などを課せられる前に自分たちで行動を,としてつくったのが経団連の自主行動計画です.あくまで「自主」に目標を宣言し,政府からの規制という形を拒否した姿がそこにありました.それが次第に,社会公約になって,自主的な第三者検証の導入に加え,政府の行動計画に組み込まれたり,政府審議会でのレビューが入るようになり,目標強化のプレッシャーが政府からかかるようになっています.次は cap-and-trade でしょうか.

これをいまの途上国にあてはめるとどうでしょう? まさに自主目標策定の段階であるわけです.MRV (measurable, reportable, verifiable) といっても,内政干渉を嫌ういまの中国などの姿は,まさに同じと言えるでしょう.経団連の自主行動計画は,日本の産業界にとって実効性を保ついい手段でしたし,長い年月をかけて,いまのような姿となっています.途上国の枠組み形成にも 同様のステップを踏んでいくことが必要である,と,今回のコペンハーゲン会議は教えているのかもしれません.

わたしも,もうすこし考えてみることにします.22日 (火) の報告セミナーでは,そのあたりを詳細に分析した内容をお話しできるでしょう(CDMや排出権市場の発展などや,今後へのインプリケーションの話もします.まだ席はあるようですので 有料ですが よろしかったら PEARのサイトから お申し込みください).

それでは,日本で再見!

松尾 直樹@コペンハーゲン



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